MBAの効果~MBAプログラム修了後

Indiana University (Kelley School of Business)でのMBAプログラムが修了し3か月が経ちました。
5年前から受験と入学後の猛勉強の日々が続き、それほど振り返る機会がありませんでしたが、
個人として膨大なコストを掛けたこともあるので、忘れないうちに一度振り返りしておこうと思います。

また、これからMBAを目指す20代後半の受験生の方とも話す機会がありますが、どうしてもGMATや受験対策に追われるため、卒業後に得られるものやMBAの効果というものはやはり掴みきれない面があるかなと思います。あくまで一例として記載しておければと思います。

MBAでかかったコスト:
【入学後】 695万円
・授業料 51単位×$1000/単位(一部免除適用)=$51,000 (566万円@ 1ドル111円)
・授業での渡航費用: 米国3回 約90万円 + 中国1回 12万円 合計102万円
・教科書・雑費: 16冊 12万円(送料含む)
・ビザ・渡航準備費用: 15万円
【受験対策】 116万円
・GMAT・TOEFL受験:50万円
・GMAT予備校:30万円
・カウンセリング:36万円

トータルコスト:約811万円
*仕事を継続しながら入学することができたため、基本的には機会ロスはなかったとする
*学習時間はコストに換算しない

感想:私立トップスクールのような1,2千万円以上を超える出費にはなりませんでしたが、やはりトータルで見ると大きいですね。入社後から入学時点での貯蓄の2/3が消えました。とはいえ、仕事を辞めて留学していたら2年分の収入が無かったことを考えると、両立が厳しかったとはいえ、Online MBAにしておいてまだ助かったとは思います。受験時点ではもっと戦略的に受験計画を立てられればTOEFL/GMATの乱受験なくもう少し抑えられたかなとも反省。

MBAの効果:
年収:58%上昇 *前職で現年齢まで働いた想定のモデル賃金と現在の実年棒で比較
基本的にMBAランキング等で比較用に多く見られるとおり、数字で計れる効果というのはサラリーくらいしかないです。私の場合、日系企業からMBAに理解のある外資系企業に転職できたのが大きいですが、結果的にMBAプログラムで得た分析やオペレーション、プロジェクトマネジメントの知識を活かし、プロジェクトの成功を収められたことで入社後も上昇したため全体として大幅上昇となりました。
結果、上記で算出したMBA費用もサラリー上昇分を元に2年弱で回収できる計算となるため金銭面では投資として成功だったと言えそうです。

知識:クラスによってバラつきもあったと感じますが総じて幅広い知識を身に付けることができたと感じています。1年次前半は正直基本的な部分が多く、若干物足りない面もありましたが後半以降は内容も濃かったと感じます。その中でも大きかったのは多くの授業に含まれるディスカッションで、多種な業種にる同級生たちのユニークな経験や考え方に触れることができたのが良かったと感じています。

ネットワーキング:Online MBAの場合、やはりFull-time MBAに比べてネットワーキングの機会は少なかったかなと感じます。それでも多くの授業でチーム形式を採用している点や特に3回参加したブルーミントンでの現地授業ではチームプロジェクトもあり、多くのチームメイトと繋がることができたと感じます。

英語力:受験を通してTOEFLスコア100やGMAT710など全体的に上がったと思いますが入学後はオンラインなのでほとんど上達していません。ここがFull-timeとの大きな差かもしれませんが引き続き別に勉強していく必要がありそうです。

全体として
年収など数字で確認できる効果もありますが、MBAの場合はやはり通常は得られない経験を2年間に凝縮して得ることが出来ることかなと思います。私の場合はOnline MBAであったためFull-timeで得られる経験とは少し異なると思いますが、海外のクラスメイトと一つのトピックについて激論したり、米国・中国現地でのプロジェクトや企業見学等、学生として世界情勢やビジネス界を生で見ることができた経験は一生の財産になったと感じます。もちろん、受験から入学、そして修了までプライベートや家族、また時には仕事での時間を割き投資することにはなるため長期間に渡る見えないコストも大きいですが、それでも振り返ってみるとMBAプログラムで学ぶという決断をして良かったと感じています。

社会人博士課程へ合格

KelleyからMBAの学位も届き、修了の実感と余韻が冷めやらぬ中ですが
本日、筑波大学大学院のビジネス科学研究科博士課程への入試合格と4月からの入学が決まりました。
唐突な報告になってしまいますが、秋口のMBAプログラム終盤からその修了後を考えるようになり、さらに先を目指したいと考えるようになりました。整理すると、

①単純に研究を続けたい
最も大きい部分はこれかなと思います。MBAプログラムでも卒業プロジェクトを通して、文献調査や自身で仮説を立てた検証、最終提案を作成するというプロセスは経験しましたが、今後はより自身の領域を深めつつ、高い専門性を身に付けたいと考えるようになりました。

②発信をしていく
MBAという一つのキャリアを通して目標としていたGlobal企業への転職、その後仕事でも成果を出せ、ある意味ビジネスパーソンとして一つの節目に来たと考えています(もちろん30代中盤でまだまだ自社で学ぶことが多い若造ではありますが…)。これまでの自身への投資に留まらず、これまでの日系・外資系企業、米国MBAでの経験を自社だけでなく、より広い範囲で業界や若いビジネスパーソンへ発信していきたいと感じるようになった。

ということかな、と考えています。といっても大学を探し始めたのが12月中旬、統計のビジネス応用に強いと言われる筑波大学に決めたものの出願が1月初旬だったため、約半月で研究アイデア捻出、研究計画書作成と慌ただしい年末年始でした(博士課程のため6ページ分の詳細な研究計画が必要)。その後今月初旬に口述試験(研究計画の発表)があり、何とか無事に通過することができたようです。
博士課程は基本的に研究が中心のため、MBAプログラムに比べマイペースで進めることができそうですが、入学までのこの先1カ月は約3年ぶりにゆっくり休もうと思います。

学位記が届く~MBAプログラム修了後

12月に修了したIndiana University MBAプログラムですが、本日ようやく学位記が届きました。
当初はDHLで2カ月ほど掛かって届く予定でしたが、大学側で気を利かしていただきFedexで3日で届きました。
独特の書体で氏名、修了日に加え”Master of Business Administration”と学位名も記載されていて重みを感じます。2か月掛かったこともあって届くまで特に学位自体にそれ程意味は感じませんでしたが、実際に受け取ってみると受験からの5年間が終わったな~と感じます。

修了~MBAプログラムで学ぶ

お陰様で無事にIndiana UniversityのMBAプログラムを修了しました。
昨日、最後のプロジェクトコースの成績を確認したところA評価が出ており、卒業の必要要件である51.0単位が揃いました。
一方で、一足早く大学からは今月のCommencement(学位授与式)の招待が来ていましたが、さすがにこの時期の渡米は仕事もありきついので辞退しました。(ガウンを着る海外の卒業式にはすこし憧れていたので残念ですが・・・)
そのため、学位記は2月頃航空便で届くようなのでゆっくり待とうと思います。

仕事と学業の両立で非常に大変な2年半でしたが、無事に終わってホッとしています。MBA受験を思い立った2011年夏から既に5年が経ち、受験での苦労や紆余曲折、MBAプログラムを通した学び、そして転職や家庭でも色々と変化を経験でき、人生の中でも激動の期間だったと感じています。

今後については秋口から少し考えている方向性があるので、また報告できればと考えています。

修了に向けたプロジェクト~MBAプログラムで学ぶ

2014年春に入学したインディアナ大学のOnline MBAプログラムもいよいよ12月の修了へ向けて大詰めです。
最後の「Integrative Capstone Course」では、一学期間同級生とチームを組み実際に起業計画の立案を行います。特に講義などはなく、教授との定期的なUpdate会議と最終プレゼンによって評価されるため、チームミーティングを持ちながら、これまで学んだ知識をフル動員し、市場調査とターゲティング、ファイナンス、コスト、調達計画など広域な側面から企画し、事業を軌道に乗せ拡大させるプランを作り込んでいきます。少しでもプランに弱い点があると、教授も容赦のないコメントを浴びせてきます。(実際に私の最初の提案はバッサリと切られました・・・)。

私のチームのプロジェクトは、実際に同級生が進めている起業について計画を立案することになりました。実際にNDAを締結しての本格的な起業支援となったことでチーム会議でも熱が入ります。11月末には最終発表を行う必要があるため、あと1カ月間は忙しい日々が続きそうですが総決算として悔いの無いよう終えたいですね。

初の米国工場見学~MBAプログラムで学ぶ

サプライチェーンマネジメントコースの一環として、
インディアナ国際空港近くにある物流倉庫設備の見学に行きました。
州内とはいえブルーミントンからは片道1時間以上あるため、社会見学のような感じで大学が用意した貸切バスで向かいます。

インディアナポリス国際空港近く

インディアナポリス国際空港近くには倉庫や工場が立ち並びます。日本に比べて倉庫間の間隔にゆとりがあります。

インディアナポリス国際空港近く2

見学はヘルメットを着け、工場ディレクター案内の元、各工程エリアを回りました。倉庫として非常に大きな施設ではありましたが、中身のフォークリフトやコンベアが動く光景は日本の工場や倉庫で見慣れている光景と大きな違いはなかった印象です。前半は工場現場を視察し、物の流れを上流から下流まで見学し、その後は会議室で工場のディレクターとオペレーションに関する議論を行いました。

アムトラックでの移動~MBAプログラムで学ぶ

先日の投稿でも紹介した通り2回目の現地講義のため再びインディアナへ向かっています。今回は時差ボケ対策もあり早めにシカゴから米国入国し
シカゴ→(アムトラックで移動)→ラファイエット→(バスで移動)→インディアナポリス
と小旅行でのんびり移動していこうと思います。飛行機だと1時間で着いてしまうシカゴとインディアナポリス間の移動も陸路だとアムトラックやバスで4~5時間程度掛かり色々と楽しめます。

駅内のアムトラック路線図

成田からシカゴへ到着後シカゴ市内で一泊、その後アムトラックへ乗るべくシカゴユニオン駅へ徒歩で移動します。シカゴ駅構内は映画撮影にも使われるほどですが非常に壮観な建物となっています。

個室を予約してあるため専用ラウンジが使用できます。お菓子や飲み物が自由に取れます。
・そして出発前の17時、呼び出しがありいよいよ電車へ
(ガソリン臭の漂うほこりっぽい通路を通り列車へ向かいます)

・個室は椅子の下がトイレになっていたりとラファイエットまでわずか3時間ですが
広がるとうもろこし畑の上に月と幻想的な光景が広がります。

電車で長旅と行きたいのですが、出発してすぐに今夜の宿泊地であるラファイエットへ着きます。明日は一日こちらへ滞在しインディアナ大学のライバル校でもあるパデュー大学を巡る予定です。Full-time MBAを目指していた際に合格を頂き入学寸前まで進めていた大学でもあり、大学に空港を持ちつつ緑に包まれた広々とした環境が素晴らしいため一度訪れてみたかったので楽しみです。

[授業紹介] Developing Strategic Capabilities~MBAプログラムで学ぶ

昨年3月に入学したMBAコースも後半へ入り、ここまで修了単位数51に対してここまで31.5と順調に来ています。ただ、今春から少し仕事が多忙になったため、この夏学期はこの1科目のみ履修申請としています。

コースタイトルが示す通り経営戦略に重点を置き、ケーススタディとディスカッションを通して学ぶコースになっています。基本的には有名なJim Collinsの”Good to Great”をテキストとして企業の経営戦略の方向、また様々な状況下で取るべき道筋について議論します。

現地授業2回目~MBAプログラムで学ぶ

昨年3月の入学式と初回授業から1年が経ち、
月末の7月28日から2回目の現地授業(Connect week)のため2週間ほど渡米して来ます。

厳密には今回はDual degreeとして選択したMaster of Global Supply Chain Managementの方のConnect weekなので、MBAプログラムとしては来年もう一度行く必要があります。そのため、今回のテーマはサプライチェーンマネジメントやオペレーションに特化しており、一週間を通して数値分析やインディアナ現地の工場視察なども予定されていて盛り沢山です。

現地講義も2回目ということもあり、ビザ取得、時差対策などは比較的スムーズに進んでいます。
学生ビザについては、前回渡米から1年以上経過しているため再発行という流れになります。申請費用や書類、写真は前回とは別に必要ですが、郵送で申請できるため大使館へ行く必要はないようです。
前回入学式当日に苦しんだのが時差でした。過去のポストでも書いた通り、入学式直後のWelcome dinnerでの爆睡やその後の授業でも時差ボケに苦しみました。
そのため、今回は開始4日前に入国し時差になれるため、シカゴ→インディアナポリス、ブルーミントンをアムトラック(米国全体で運行されている列車)で移動しようと思っています。
2回目ということで初回のような緊張もなく楽しんで来たいと思います。

[授業紹介] Law for Global Business ~MBAプログラムで学ぶ

Kelleyでのプログラムも2年目に入りました。こちらはビジネス法に関するコースになっており、これまで法務や司法関連の業務とは無縁だった学生でも一から学ぶことができます。総じて法学のバックグラウンドがないと厳しいコースになります。私も理系畑でかつ英語で法務を学ぶという経験はしたことがありませんので苦労しています。
・過去の判例を見ながらJurisdictionの考え方、契約、知的財産保護に関する考え方を学べるかと思います。
・過去の判例を分析する課題など米国視点となるケースが多いですが、国際法を中心にどの国の学生にとっても得られるものは大きいです。
・コース評価は5回の小テストに6回のチーム課題と、3か月間のコースとしてハードです。数名で構成されるチームも法務部や法律の専門家はほとんどいないため全員で悩みながら進める日々になります

コースの構成:
①国際法の生まれた背景とWTO
②紛争解決
③国際間の契約締結
④国際間の支払いやAgencyについて
⑤米国の輸入品への規制
⑥ライセンシングと知的財産対策